空白の世界に彩を足す

「ねぇ、死なないでよ?」 君が薄く笑って放った言葉で過去の俺が必死で隠し続けた弱音が溢れ、雫として頬を伝った。 私はずっと人の顔色を窺って生きてきた。そうしないと見捨てられてしまうから。 それが親なら生きられず、友達なら孤立し、先生なら私を導く人はいなくなる。 親の人形になるに連れ、小さい頃はとても彩鮮やかに見せた世界はいつしかモノクロになっていた。 一昨年第一志望の高校に落ち、滑り止めに入学した。 両親が望む程度の賢さを持たなかった私は高校入学時に絶縁を言い渡され、一人暮らしを強いられた。 絶縁で私の心の枷は壊れ、私の瞳は世界をまた彩鮮やかに映し出した。そして、私の中の醜い部分が現れた。 友達はこの性格を嫌い離れていった。
みお