君の小惑星【星憶図書館】
放課後の理科棟の屋上は、風が強かった。
冬の気配が少しずつ近づいている。空は透きとおって、星がひとつ、またひとつと顔を出していた。
古びたドームの中で、天文部の望遠鏡が低いモーター音を立てて動く。
「これ、動いてない?」
画面をのぞき込みながら、星来が言った。
パソコンに映る星図の一角、ひとつの光点が他の星とは違う軌道を描いていた。
「多分……人工衛星じゃない。動きが速すぎる」
俺は目を細めて確認する。モニターに写る淡い光は、数分ごとに位置を変えていった。
「小惑星かもしれないね」
「ほんと?すごくない…!」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/10/26 6:27
叶夢 衣緒。/海月様の猫
少し投稿頻度落ちてます。
2023年
2月27日start
3月3日初投稿