「春が来るその前に1」
6月の教室は少しだけ、夏の匂いがした。
まだ梅雨だというのに、もうセミは鳴いている。
紬(つむぎ)は窓から入ってくる風を感じながら黒板の字を書き写した。紬の経験上、国語の先生は大体達筆であることが多い。しかし新しく入った高校では先生の字があまりにも汚い。何と書いてあるのか少々苦労しながらも書き写していく。
「菅野先生ってなんであんなに字が汚いんだろう。普通国語の先生って字が綺麗なんじゃないの?」
休み時間になり、紬の友人である佳奈は不満そうに口にした。
「たしかにそうだね。」
先生に悪いと思いながらも、紬は小さくうなずいた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/3/17 4:59
田舎の高校生
私の体験談を元にして書いています。
ぜひ青春を味わってください!