ごめんね

「シーナ!シーナッ!!」  この暗闇にも目が慣れてきた。明かりのない断崖絶壁。そこに、ひたすら色素の薄い少女が、満月の光を浴びて立っている。幻想的な光景を眺めている暇はない。彼女は崖の縁の縁に立っているのだから。 「ねえシーナ、そんなところ危ないよ!こっちに戻ってきて!」 「…」  シーナはゆるゆるとこちらを向く。その動きは古いロボットみたいにぎこちない。 「シーナ、私…」 「アヤ、うるさい!!もう疲れたのッ!!」  シーナは突然激昂した。 「生きてたって、嫌な思いをするだけ!つらいことばっかりだよ人生!」 「シーナ…」
そら
そら
きままに書きます。