【第10回N-1グランプリ】 「 あ
冬の体育館は、誰もいないときだけ息をしている。
そう僕は思っていた。
放課後体育館の戸締まりをするのは、三年になってから僕の役目だった。
部活が終わると、最後に残ったボールを倉庫へ戻し、モップをかけ、窓を閉める。
それから、ステージの脇にある小さな時計を確認する。
十七時四十三分。
毎日、ほとんど変わらない。
冬になると、その時間にはもう外が暗い。
体育館の窓は黒い鏡みたいになって、僕の姿がぼんやり映る。
その日も、いつものようにモップをかけていた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/8/13 22:01
叶夢 衣緒。/海月様の猫
綺麗事が救いにならない夜の話。
正しさに置いていかれた感情と、
救われなかった青春の残骸。
優しい言葉ほど、いちばん痛い。
2023年
2月27日start
3月3日初投稿