レミングの牢獄
私は今日死にます。
この通りを右に行って3つ目の角を曲がった先にある橋の上から、川に飛び込んで死にます。
川は高身長の男性でも足がつかないほど深いです。
また今日は雨が沢山降って川は増水しているでしょうから、助けを呼んでも誰も川には近づかないでしょう。
もし増水していないとしても、人助けのために動く人間は、この街にはいません。
そのような街であるから、私は今日自ら川に飛び込もうと思うのです。
私のような下水に住みついた鼠のような人間が1人死んだからと言って、誰も気にかけないのは分かっています。
大して珍しいことではない上に、私のような人間は生まれた時から命の価値が低いのですから。
私を唯一慈しんでくれたのは母親でした。しかし私が5歳にもならないうちに、彼女は薄汚い路地で高貴な方々に乱暴されて死んでしまいました。
0
閲覧数: 17
文字数: 1919
カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2022/7/24 6:44
最終編集日時: 2022/7/24 7:47
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
菫
執筆初心者です。