キミがいないセカイが地獄なら

キミがいないセカイが地獄なら
第1章 ハジマリ 第1話 「ねぇ、ワンダ。これって私への手紙?凄く嬉しい…あっ、…ふふっ!ワンダ!私のスペル間違えてるよ!でも嬉しい、あなたが初めて書いてくれたんだもんね……決めた!私今日からイヴ(Ive)にするね!」 ワンダは目をそっと開き、親友イヴへ送った手紙を思い出していた。視界にはさわやかに揺れる草原とのびのびと立つ大木が広がる。ワンダは大木が落とす木陰で一休みしていた。 (…もう…イヴ遅い!!) 今日は野いちごをつむ約束をしていたはずだが、約束の太陽の位置になってもイヴは来なかった。ワンダは起き上がり、うんと伸びをした。 (もう、最近いつも遅い…どこに出かけてるの?) 心の中でぼやき、ワンダは野いちごがある森へ向かった。理由はひとつ。 (全部食べちゃうもんね!) そしてワンダは駆け出した。軽く風のように、ワンダはまるでバリアシオンを踊っているように走り出す。慣れた足取りで木に巻きつくツルを掴み、川を一気に飛び越え、いつもなら夜食にするイノシシの子どもに目もくれず目的地へ向かった。
浅沼
浅沼