脱殻

脱殻
この心から剥がれ落ちた殻が今もこの肌に残り 焼ける痛みを放つ。 今までベールに厚く被せていた僕の瞳に、 赤色の涙が溢れる。 手に持っていた花束が枯れ朽ち、手から溢れ 足元で揺らぐ。 それが僕の影に、なんて無能だと嘲た。 分かっている。人は皆、貪欲で己の目の前だけに灯を照らし足元を照らさず、底にある、ほのかなる黒煙にギュッと目を閉じて口元を抑えるのだから。 爪の先ですら感じないこの先の矛先にボクの苦い影が絡んでいると思えば、五臓六腑が青く染まる。 ひび割れた霜焼けがボクの心を潰すのは
永希夢
永希夢
初めまして ときむ、と申します。 主にファンタジーの小説 詩、作詞。を投稿します。よろしくお願いします