とある夜

とある夜
俺とケンゴは、都心にある高級ホテルのスイートルームにいた。職業は、女性を相手にする特殊な仕事だ。 一仕事を終え、パートナーのケンゴと客の女性と三人でシャワーを浴びている。ケンゴは髭の濃い、身長185センチの男だ。その女性が、次回のセッションで「特別な道具」を使いたいと、囁くような声で言った。 ケンゴの表情が、一瞬にして硬直した。露骨な不快感だった。 俺の頭の中では、冷静な分析が始まった。もし、三人で同時に使う道具を選ぶのなら、その物理的なサイズこそが、全てを決める。俺は、思考の結論をそのまま口にした。 数十分後、俺たちはホテルのラウンジにいた。重厚なソファーには、顔馴染みのアスカと、見たことのない四人の華やかな女性が座っている。俺たちはシャンパンのグラスを手に、夜の帳(とばり)を楽しんでいた。
Kazato
Kazato
曲作ったり書いたり弾いたりしてる人