透明な血が流れ出る

 胸に刃が突き刺さった。 熱くて熱くて苦しくて、涙がボロボロ流れていきます。  貴方はそんな私を前にしても構うことなく何度も何度も刃を振るいます。 その度にボロボロと滝のように涙が流れていきました。  「お前はどうしてこんな簡単な事も出来ないんだ!」 頭ごなしに怒声を上げて顔を赤くする貴方にかつての面影はありません。 優しくて気遣い出来る素敵な男性はそこには居ません。 私の前にいるのは不味いと食器ごと床に放り投げた暴君です。 そして、私はそんな暴君に虐げられる奴隷といったところなのでしょう。  「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
ナナシ
今日も静かに生きてます。 prologue様にも出没し、極々たまに小説を投稿してます。