ロボット研究所

また一つ歳を重ねた。年々身体の衰えを感じずにはいられん。 彼が元の時代に帰ってからちょうど50年が過ぎた。結局、私の制服姿を見せることも、結婚相手を紹介することも叶わなかったけど、もう一度会うことがあればこれまでの話をたくさんするつもりだ。 「所長、お客様がお見えです。」 突然通信が入った。今日は来客の予定はなかったはずだが… 「すぐに向かおう。また国のお偉いさんかな?」 「それが…その…」 妙に歯切れの悪い反応が返ってくる。 「まぁいい、お茶を汲んできてもらえるかな。」 「かしこまりました。」 私は少し身だしなみを整えてから応接室の扉を開けた。見覚えのある丸いシルエットが目に入る。
絵空
絵空