ふりつもる

ふりつもる
少なくとも、私は奴隷売買に救われた。 情報の発達した現代、奴隷制度を許す国は見られなくなったが、それは表の顔である。求めれば近くに奴隷商売はある。産んだは良いが育てられない無責任な親が捨てていくのだ。 「主人様……?」 顔を覗かせる私の“娘”、ユキ。よくぞ今日まで生きてくれた。 手を伸ばす。すかさずユキが手を握る。 「幸せだ。たった一人の私に尽くしてくれる人がいる」 「もちろんです。主人様は全てをくださいました。食べ物、着る物、言葉、文字、あとは…感情や、心など。」 随分と表情を作れるようになった。はじめましての頃の濁った目も美しかったが。今の方が良い。 「感情と心は、同じものじゃあないのか?」 揚げ足を取ってみる。ユキは決まって頬を赤らめ、黙ってしまう。
N's
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はじめまして。よろしくお願いします。 書いたヤツそのまま投稿したものが多いので支離滅裂かもしれません笑