『幸せな過去』

頑張れば何でもできるって思ってた。 私は小さい頃、優しい両親のもとで育った。お母さんもお父さんも私のことをたくさん愛してくれて、私はすごく恵まれていた。 私は小学校高学年から塾に通い始めた。中学受験をするためだ。お母さんもお父さんもそのことには賛成してくれているし、私も頑張らなきゃなと思えた。 私は塾の他にも色々と習い事をさせてもらっていた。ピアノ、水泳、そろばん、ダンス。基本的に何でもそつなくこなせていたから、学校ではみんなの人気者だった。 成績もよかったし、受験は受かるに違いないとまで言われていた。 でも違った。私が行きたかった学校に私は落ちてしまったのだ。それから私の自尊心はだんだん落ちてしまった。 行きたかったはずの学校に登校している私の同級生を見ると本当に悔しかった。まさか私が落ちて他の子が受かるなんて思ってもみなかった。 それから私は学校へ行けなくなった。あれだけみんなから期待されて私もそれに応えようと一所懸命頑張った。私は受験に落ちたことよりも、自分にできないことがあることが、何より嫌だった。 私は私なら何でもできると思って生きてきた。みんなからもそう言われてきた。たくさん努力して頑張った。でも自分は受験に落ちてしまった。みんなの期待を裏切ってしまった。みんなに合わせる顔がない。
はなまる。
「自分の書いたものを誰かに読んでもらいたい」そういう思いから始めました。