君に話したいこと
三年の交際を経て結婚した彼女との生活は新婚らしくつまづきながらも順調だった。
のんびりと話す声や、穏やかな気質と、柔らかな丸みのある体が好みだった。何より口を開けて楽しそうに笑う笑顔が可愛かった。
なんの気無しに言った一言でビーフシチューを作ってくれたのは嬉しかった。
味はまぁまぁ。出張で行った時に食べさせてもらったビーフシチューの方が美味かった。そんな感想を言えるわけもないから大人しく黙って食べた。
作るのが大変だったのか、それからしばらく食卓にはならばなかった。
結婚してもうすぐ一年になろうとしたある日。
帰ると彼女はずっとそわそわしていた。言いたいこたがあるなら言えばいいのに。
ちょっとだけイラついたら、「あのね…」と上目遣いでようやく口を開いた。「赤ちゃん、出来たみたいなの」
4
閲覧数: 49
文字数: 4526
カテゴリー: その他
投稿日時: 2022/12/5 2:12
腹黒兎
小説家になろう でも執筆中。
のんびりマイペースでやらせてもらいます。