鬼姫の星回り

鬼姫の星回り
今は昔、人々が暮らす町には「鬼」が住んでいた。その容姿は人間と差程変わらないが、力、性格、身体の丈夫さと言ったら人間なんて比にならないレベルだった。 鬼は人を襲う者も多いが、時に寄り添って仲良くなろうとする者もいる。しかし人間は性格なんて関係なしに鬼を恐れ、遠慮なしに殺す。鬼を殺すことが仕事である鬼狩りという職が出来たくらいだ。 これは「天才」と呼ばれるある一人の鬼狩りと、鬼の中で「姫」と呼ばれる鬼に生まれたある一人の少女の物語である。  ◇ 「任務だ」 それだけ言われ、僕は特令室に呼び出された。 「彼岸町に約五十の鬼が姿を見せたそうだ。被害も出ているすぐに向かえ」 「承知しました。ちなみにチームは」
きのこ
きのこ
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