ついてる男
電灯に群がる火取り虫が、意味の無い飛翔を続けている。
どこか水気を含んだ空気が、取り巻くように皮膚を撫で下ろし、先の景色の危うさという妖しさは、明日の景色をぼやけさせる。
薄暗い夜を腹に抱えたトンネルは、それが終わりの無い道であるかのように錯覚させた。それは、夜の中の夜だった。
とある道筋を、走り抜ける一台の車があった。
消魂しい駆動音は、猛獣のような勇ましさを呼び覚ます。
影のような道筋の伸びるその先は、果てのない空洞であった。
「はっはっは!この世の誰も俺を止められはしないぜ!」
まさに爆速。直線コースを駆けるその速度はチーターをも超える。猛獣とはチーター。そう、チーターである。
止まる所を知らないその一台はトンネルへと差し掛かる。しかし速度は落とされるどころか、更なる特異点へと至ろうとしていた。
「ヒィィハァァァ!セイセイセイ!見なよ俺の速度を!」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/5/23 14:11
じゃらねっこ
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