名無し

薄暗い森の奥、今宵は赤い満月で魔獣達も活発になる時間帯……… その森の奥で私の目の前には絶対たる死が見える。 青く光り輝く稲妻の槍、漏れ轟く放電の音、その中心から風圧で木々は倒れ折れ、辺り一面草原のような状態。 その槍を掴むのは金と赤で縁取り彩られた立派な白い鎧を纏う赤髪の男。 男はすごい憎悪に満ちた剣幕な顔つきでこちらを睨み、槍を掲げ振り下ろそうとしていた。 視線をしたに落とすとそこには恐怖で震え縮こまる小さな男の子。 体のサイズと合わない黒いマントに頭には2本の悪魔のツノ。 瞳は赤く額にわずかな切り傷。傷口から頬にわたる赤い血と恐怖に満ちた瞳から漏れる涙が混ざり顎から垂れ落ちる雫が私の腕に生暖かく染み渡る。 私は彼をしがみつき己の体を盾にする。 あの技を喰らえば一溜まりもなくチリ一つさえ消えて無くなるだろう。
可憐
可憐
よろしくお願いします。