水と私
水面の膜が張り付いた手のひらを、何度も水槽に落としてはまた引っ張った。体積が増えた水は自分の一部のように感じられた。不思議な感触だ、心地よさがあるのは、ここが居場所だからかな。足を伸ばした途端、丸まった背中を余計に意識してしまって大きな背伸びをした。天井に向けられた手のひらはカサついていて、時間の経過を感じた。明日のことを考えながら、重い腰を上げて、一息吐いてみた。感情のなさに、真実があるように思ってみた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/6/26 7:37
最終編集日時: 2024/10/1 3:44
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