秋の夜空

「秋は嫌いやな」 隣にいる君はそう呟いた。 変わり映えのない今日の終わりが見え始めた下校時間。隣で自転車を押す君がそう呟いた。部活終わりの空は日が沈んでいて、雲に隠れた月明かりと近くの街灯だけが静かにこの場の二人を照らしていた。君の顔はよく見えなかった。いつものようで、どこか違うような。ただ、声が少し震えている。そんな気がした。 「なんでかはわからんし知らん。秋の綺麗な月も好きやし、紅葉で染まる景色も好き。けどそれ以上にこの時期が嫌い。」
四宮結季
四宮結季
四季乃 葵(しきの あおい)改め 四宮 結季(しのみや ゆうき)と申します。 趣味での投稿のため更新頻度は低めです。 フォロバは気分