記憶2

記憶2
僕の記憶の中の彼女は幼かった。 彼女は、気が弱くていじめられがちな僕をいつも守ってくれた。 「どうして言い返さないの!」 「ちょっと我慢すれば済むから…」 僕がそう答えると彼女は不服そうな態度を前面に出してくる。 そんな日常がある日を境に変わってしまった。僕への嫌がらせを邪魔してくるのが気に入らなかったのだろう、ターゲットが僕から彼女に変わったのだ。 彼女は平気そうだった。 僕はそれを見て安心した。僕はいじめられないし、彼女は平気そうだと。僕は、全てが解決したと本気で思っていたのだ。
雨森
下書きに使ってます