そして、

 味噌汁が五臓六腑に染み入る季節になってきた。  キッチンにアサリと味噌の香りが立ち込めていたときである。 「あ。お味噌なくなっちゃった」  そんな彼女の言葉から、俺たちはスーパーで買い物をするために身支度を整え始めた。  リビングで軽くメイクを施していく彼女は、最後の仕上げといわんばかりにリップブラシを唇に乗せる。
木のうろ野すゞめ
木のうろ野すゞめ
雰囲気小説を書く人です。 毎週金〜日曜日の間になにかしら書きあげていきたいです。 現在は主に「書く」「書く習慣」にて生息しております。 2025/8/16〜 ※作品は全てフィクション ※無断転載、AI学習禁止