イチョウの木

イチョウの木
校舎裏には大きなイチョウの木が生っている。 私は休み時間になると必ずイチョウの木の下で本を読む。 毎日のように木の元に行き、学校での出来事、小さい頃の記憶などを語ったりもした。 ある日、イチョウの木の所へ行くと見たことのない同い年くらいの男の子が座って地面に落ちているイチョウを集めていた。 「何してるの?」 本を両手で抱えながら男の子に声をかけるとびっくりした顔でこちらを見つめる。 「…イチョウを集めてるんだ」 手の中いっぱいのイチョウを見せてくれて、私も隣に腰を下ろし、イチョウを集めるのを手伝った。 「君、いつもここに来るよね」 その言葉に見られてたのかなと恥ずかしさが出てくる。
だいこん
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