ペット療法
「ペット療法か。知ってるよ、この施設でもやってるのかい?」
「はい。もし良ければ、山田さんのケアプランにも組み込ませてもらおうかと思って」
「う〜ん、そんなに動物は好きでもないんだがなあ」
「あ、大丈夫です。そういうのは関係ないんで。どうです? 試しに一度」
と、介護士の島岡さんに連れられ、一階の交流エリアに行くと、一台の踏台が置いてあった。
「どうぞ、この踏台がペットです」
「意味がわからん」
「アナムネの時仰ってましたね。お人好しのため、昔から他人の踏台になってきた。でも、そのお陰で成長もしたと」
「もしかして、それなら踏台その物も成長するとでも……?」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2022/2/9 13:23
最終編集日時: 2022/2/9 13:34

くろせさんきち
短い物語を書いてます。
400字小説サイト「ショート・ショート・ガーデン」https://short-short.garden/author/808809
ショート・ストーリー集『造園』https://kakuyomu.jp/works/16816452219823406519