中学生👤

1 我慢 二年生もあっという間に終わり、最高学年の三年生になったその日。自分のクラスの人を見た時、誰も知らないことに気がついた。もっと詳しく言うならば、知り合いが数年で知らない人になっていた、と言うべきだろうか。私が一年の頃、ずっと一緒に行動していた子は沢山の友達に恵まれていた。たくさん笑っていた。去年一緒だった子は私の知らない子と笑顔で笑っていた。 「気持ち悪かった。」  私の、私が知っている子とは全く違う人に見えた。それがどうにも吐き気を催すようだった。 一年間ずっと傍にいた私の事なんて頭にない様で、それはそれは無邪気に、元気に思いっきり笑っていた。私を嘲笑っているように見えて傷ついたなんて絶対に貴女には言えない。幼稚園が一緒だった人も同じクラスだった。覚えているだろうと、少し期待していた私が馬鹿だった。向こうは何一つ覚えていなかった。だって「はじめまして。」と言ったから。私は安堵した。なぜかって?私の否定された過去を知っていたら困ると思ったから。困ると思う反面、その人が私を受け入れてくれるかもしれないと心の何処かでそう思い込んでいた。  一緒にいなかった、六年間の空白はどうやっても埋めることは出来ない。 どんな人だったのか。 どんな人と友達になっていたのか。 どんな事をしていたのか。 どんな話をしていたのか。
涼風。
涼風。
閲覧ありがとうございます。秋 涼風。と申します しゅう りょうかと読みます。 自己紹介は連載→わたしという人→📄からどうぞ