少女の想い

少女の想い
 私は人のお葬式が好きだ。 人の死が好きとか、人の悲しむ顔が好きという訳ではない。    好きになったきっかけは4歳の頃祖父が死んだ時。祖父は祖母や叔母には嫌われていたし、町内会でも仲がいい人の名前は聞いたことがなかった。ぶっきらぼうで無口、唯一の話し相手は祖父が名付けた野良猫のあめ。そんな祖父だけど私は大好きだった。  祖父の最後は病室での淋しいものだった。祖母や母が見舞いから帰った1時間後くらいに容体が悪化し、次の日の早朝には息を引き取った。当時幼い私は人の死というものに触れさせてもらえず家で寝ていた。  祖父のお通夜が始まった。 この時やっと私は祖父の死を理解し、泣き崩れた。悲しみと同時に居心地の良さを感じた。普段は祖父の愚痴などを吐く人が涙を流し、いい思い出だけを口にしたから。心の底から悲しんだのかどうかは私には分からないこと。でもその時私はここで泣いているやつよりも祖父へ寄り添えた自信があった。
めんま
めんま
女子中学生の小説