無味
僕は無気力にネカフェのシートにへたり込む。射精を終えた後特有の確かな疲労感と寒気さに僕は正直になって、ボーッとしている。なんてことはない。ただ、何もかもがどうでもよくなり、先程の発情が滑稽に感じるだけだ。
僕の性液が彼女の腹であえかな暖色ライトに照らされ反射し、ウニョウニョと動いているように見える。まるで、数匹のナメクジが腹を張っているようだ。
彼女はそのナメクジを塩でも舐めるように人差し指で掬い口に運ぶ。
小さくぷっくりした唇が開き、女の子にしては少しゴツい指をいじらしく咥える。
僕は笑みを作ってその行為を眺める。
彼女もそれに答え、仰向けのまま微笑する。
僕は視線を彼女から腹のナメクジに逸らす。
腹ではなく、脇の方に外れた性液は重力に負けて脇腹を滑るように落ちていく。
僕はそっとそれを掬い、彼女と同じように舐めてみた。
なんの味もしなかった。
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カテゴリー: 詩・短歌
投稿日時: 2025/2/22 1:45
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
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