鍋
家族で鍋を取り囲んだ事がない、私が初めて鍋を食べたのは20代に入ってから。
──彼氏と初めて、もつ鍋を突っついた。
少しだらしない彼氏はネギをこぼしたり、汁をこぼしたり……そんな粗相を私は笑いながら拭いて、一緒に温かい鍋を食べた。
おっちょこちょいな彼氏だが、こう見えて鍋奉行である。モツは火を通すのが大変だと、カセットコンロと睨めっこ。
せっかちな私は待ち時間が退屈で、彼の鍋を見つめる真剣な表情を眺めていた。
真面目で賢い彼は、何もものを知らない私に色んな事を教えてくれる。
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2025/1/30 12:30
最終編集日時: 2025/2/16 15:39
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
綾紀イト
糸へんが多いペンネームです、心の奥で絡まった糸を解くために書き出しています。
どんなに評価が無くても、私は私の文章が好きです。自分の心を救うために書いています。