柵の外に
柵の外には、小さな少年がいた。あながち、俺の手紙に連れられてきて、柵の外で固まっているのだろう。俺は興奮を抑えながら、少年に声をかけた。少年は驚いてバランスを崩し、数秒後には肉がつぶれる音があたりに鳴り響いた。
これで98人目、目標の100人まで後2人だ。まぁ、達成したところで特に意味は無いのだけれど。普段人気のないビルの屋上で仕事をしていると、これぐらいしか暇つぶしがないのだ。
ある日、いつも通り仕事をしていると、40代ほどの女が柵の外を歩いていた。どこかで見覚えのあるシルエットをしているが、顔は見えない。興味を持って、声を掛けた。すると、女は声を返さずに被っていたフードを外した。その下にあったのは......妻の顔だった。いくら声を掛けても、妻は目を合わせようともせず、絶望に向かって歩いていく。どうして、どうして、どうして妻は声を返してくれないのか。考えた末に、俺は柵の縁に手を掛けた。
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ああ、誰かが抱き合いながらビルから落ちていく。2人に何があったのか、僕は知らない。僕はただ、ビルの屋上で作業をするだけなのだ。
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カテゴリー: お題
投稿日時: 2026/1/24 10:20
最終編集日時: 2026/1/24 10:24
除草機1号
基本超短編を書きます。ストーリーは何となく決めます。新参者ですがどうかよろしくお願いします。