ブレーメンの音楽隊

ブレーメンの音楽隊
 昔々、あるドイツの村に、一人の若い農夫がおりました。  農夫は独りで、ただ、一匹のロバと雌牛と、何羽かのニワトリと共に、細々と暮らしておりました。  しかしある時、農夫は流行病にかかって、とうとう死んでしまいました。  さて、残された動物たちはというと、皆、それぞれ何人かの村の者に、貰われていきました。  雌牛は、左隣の赤毛のフックス一家に。  ニワトリ達は、右隣のシュタイナー夫妻に。  そして、ロバは五軒ほど先の、頑固者のボックの旦那のところへ。    ボックの旦那は、ただ頑固なだけでなく、それまでの人生で恋人にふられたりなどして、長い間独りで生きてきたためか、動物、特に家畜への当たりが強い人でした。
Tentomushi
Tentomushi
初めまして。Tentomushiと申します。 学生です。よろしく。