追憶の名残〜blue side story〜 第8章 過去へ繋がる森Ⅳ

追憶の名残〜blue side story〜 第8章 過去へ繋がる森Ⅳ
 気持ちの決着がつき、俺の目的も定まった。同じ轍は踏まない。必ず、ミユに忍び寄る魔の手を退けてみせる。  地の塔へと向かう三日後は、すぐにやってきた。ミユに会いたい気持ちと、どう思われているのか分からない不安な気持ちがせめぎ合い、なかなか彼女と真面に会話する事が出来なかった。食事を運んだとしても、挨拶だけだ。  今日は違う。そう意気込んでミユの部屋の前へと来たのに。いざ部屋の前まで来てみると、どうしても意識してしまう。 「クラウ様、おはようございます」 「おはよう」  カイルとアリアに何となく挨拶を返し、周りを見渡してみる。朝日が降り注ぐ廊下には、まだアレクとフレアの姿はない。いなくて良かった。紅潮しているであろう頬を冷ますようにして、両手を当ててみる。  こんな状態で大丈夫だろうか。いや、大丈夫であると信じよう。
七宮叶歌
七宮叶歌
恋愛ファンタジーな連載と、ファンタジー、時々現代なSSを載せています。エッセイも始めました。 フォロー、♡、感想頂けると凄く嬉しいです♩ 他サイトでは、小説家になろう、カクヨム、NOVEL DAYSで投稿しています。 NSS、NSSプチコン優勝者、合作企画関係の方のみフォローしています*ᵕᵕ お題配布につきましては、連載している『お題配布』の頁をご確認下さい。 小説の著作権は放棄しておりません。二次創作は歓迎ですが、掲載前に一言でも良いのでコメント下さい。 2025.1.23 start Xなどはこちらから↓ https://lit.link/nanamiyanohako お題でショートストーリーを競い合う『NSSコンテスト』次回2026年1月1日開催予定です。 優勝者  第1回 ot 様  第2回 ot 様 NSSプチコンテスト 優勝者  第1回 黒鼠シラ 様