別れはいつも謝罪とともに ⑩

別れはいつも謝罪とともに ⑩
 その言葉に、やはり誰でも先生を魔法使いだと思えるのだろう、と思う。笑みをこぼしつつ同意の意を告げる。 「わかるよ。先生と話すと自然と心が楽になる。そういう意味で魔法使いだなって思える」  そう、先生は2つの意味でも魔法使い。 「それもそうだけど…、先生は魔法が使える。本物の魔法使い」 「…ひよりさん、あなたはここに来る途中に“人の性質を見抜く力”を与えられたのね」  ふふ、と笑いながら先生が発する言葉にハッとする。 「ひより、初めて会ったとき、なんでキョンシーじゃないってわかったの? 私の存在に気づいた瞬間こっち来たよね」
颯兎ちり
颯兎ちり
早とちりな学生。不定期です。