砂時計のように死にたい
「俺、砂時計のように死にたい」
今にも目を閉じてしまいそうな彼は小さな声でそう言った。
「何言ってるの?」
「砂時計は時が来ても何も知らせない。ただ静かに砂が落ち終えるだけだろう。俺は誰にも見られず静かに逝きたいんだよ。最後の瞬間隣で誰かが泣いているのを見るのは嫌だから」
「そうなのね、でも私は最期の時まで一緒にいるよ」
「いいよ、いなくて……」
力なくそう言い、彼は目を閉じた。同時に、彼が握っていた砂時計の砂が落ち終えた。
私は彼の愛しい寝顔を見つめながら、頭を撫でた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2022/5/13 7:39
最終編集日時: 2022/5/13 7:41
ユイ
日記小説書いてます。
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