砂時計のように死にたい

砂時計のように死にたい
「俺、砂時計のように死にたい」  今にも目を閉じてしまいそうな彼は小さな声でそう言った。 「何言ってるの?」 「砂時計は時が来ても何も知らせない。ただ静かに砂が落ち終えるだけだろう。俺は誰にも見られず静かに逝きたいんだよ。最後の瞬間隣で誰かが泣いているのを見るのは嫌だから」 「そうなのね、でも私は最期の時まで一緒にいるよ」 「いいよ、いなくて……」  力なくそう言い、彼は目を閉じた。同時に、彼が握っていた砂時計の砂が落ち終えた。  私は彼の愛しい寝顔を見つめながら、頭を撫でた。
ユイ
ユイ
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