月影ノ誓  十五

月影ノ誓  十五
 第四節  赫月  【赫月の夜と鬼の胎動】  戦の痕が残る山中に、静寂が戻っていた。  だが、それは終わりの静けさではなかった。  雨は、いつの間にか止んでいた。  空に、赤く滲むような月が昇っていた。  赫(あか)き月。血の色にも似たそれは、不気味なほどに地を照らしている。
まき
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