春憂

春憂
 ひらりと風に舞う花弁を目だけで追いかける。  自由に舞う花弁は、重力に負けて下に落ちる。  それは嫌気がさすほど儚く美しかった。  この花が散る頃に、貴方はもうここを去る。 言いたかったことを言おうとして、結局言葉は出なかった。 これは胸の内にしまっておいた方が良い。
晴薪
晴薪
はるまき/高校3年生/女子