あの頃の赤
とにかく苦しかった。何がとも言えないが見えない物に押しつぶされるような感覚。息苦しくて、暑くて。本当に苦しかった。
言いようも無い気持ちに嫌気がさして、消えたくなった。誰にもバレないように消えることが出来るのなら、なんて素敵だろうとずっと思っていた。
I字のカミソリは当時の私には怖かった。消えたいのに死んでしまう気がした。T字のカミソリを手首に押し当て血が流れる生活を毎日続けていた。
「あ!またやってんじゃん!!」
同じクラスのルカがそう言った。
ルカの手首にも私と同様傷がある。
「ごめん。てかルカも一緒じゃん。」
そう言って手首を見せあって笑った。
2人は共依存という関係に近かった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/10/3 0:15
かつらな
現役女子高生、17歳。
かすかな痛みと夢の残り香を言葉に変えて、生きている証を綴る。