黄色いパンジー

黄色いパンジー
 目が覚めるとそこは病院だった。  ピー…ピー…と耳元で鳴る機械音。真っ白な布団。腕に付いた点滴のチューブ。それらの情報が私に、ここは病院だと教えてくれた。  そしてすぐに、ここは私が今までに来たことがない病院だということもわかった。窓から見える外の景色に一切の見覚えがなかったからだ。次に、一つの疑問が頭によぎった。 ーなぜ私は病院にいるのだろう。  私はその原因を探すことにした。試しに腕を動かしてみたが、痛くない。足も首も背中も、動かしてみたけれど特に痛みは感じなかった。ということは…。腕を上にあげ、そっと頭を触ってみる。すると、鋭い痛みと包帯の感触がした。そうか、原因は頭か。  そんなことを考えていると、“ガラガラ”と扉が開く音がした。ふとそちらをみると、一人の知らない男の人が立っていた。  「…えっ、…寿々(じゅじゅ)さん!目が、覚めたんですか?」  その男の人はとても驚いた表情でこちらに駆け寄ってくる。  「……あ、えーと、」
雨瑠(うる)
雨瑠(うる)
はじめまして!雨瑠(うる)と申します!!受験終わったばっかりの新高1です🥲 小説は好きですが書くのは初心者なのでなにとぞよろしくお願いします。ちなみに汐見夏衛さんの本が大好きです!