鳴らした音の行く先は 6-14

鳴らした音の行く先は 6-14
第六章十四話 番外編 手を伸ばしてくれるまで  今日は叶衣が出かけていない。最近はずっと叶衣と一緒だったため、なんだか、変な感じがする。そう思いながら、ご飯を運ぶ。どこに座ろうか。ふと、ある人に目が止まった。 「君、この施設に来てしばらく経つよね。どう?」 「悪くないよ。いい感じ」  珍しいな。こんなに施設に馴染んでいるなんて。なんだか、少し出会った頃の叶衣に似てる気がした。 「へぇー。そっかー。この施設いいよね。ところで、俺と一緒に遊ばない?」  もし、彼が叶衣と仲良くなったら、この施設をもっと好きになってくれる。そう思った。 「僕?」 「そうだよ。今一緒に話してるでしょ」
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。