小さな愛
梅雨が明け、本格的に夏の暑さを感じるようになってきた。学校でもプールの授業が始まって、高校最後の夏が幕を開けたのだと実感する。茹だるような暑さにやられて机に突っ伏していると左の方から微かな風の流れを感じる。顔を上げて見ると、隣の席の彼が下敷きで私を扇いでくれていた。私を心配してくれている彼の額には汗が浮かんでいて、私よりも断然暑そうだ。だから私も下敷きを出して扇いであげる。お互いの風が打ち消しあって、そこには小さな愛が停滞していた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/6/26 8:39
狛狐
文章書く習慣つけれるように頑張ります。