初雪の桜
空に知られぬ雪。
そう思って顔を上げる。
この言葉を聞いたのはいつだったか。
新学期の午後の授業。機嫌の悪そうな国語教師の声を聞き流し、窓の外に目をやった。
窓の外の校庭では、満開の桜が風に吹かれ、美しく吹雪いていた。
散っていく花片は雪のように白い。
教室の中を静かに流れる風は、散っていく桜に惜春の想いを漂わせていた。
その窓の横で眠る彼女の横顔。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/9/12 14:33
まめ菓子
短編を書きます。