天の心のままに【下中】

一時は目にも止まらぬ程であった空の流れも、乗り心地の改善を皮切りにまた平時へと戻る。やがて緩やかな速度は前進すらも辞め、停止した。 『この度は海中線のご利用、ありがとうございました。緊急航行は無事に完了致しました。また、大変ご迷惑をお掛け致しますが、これより海中線は一時封鎖となります。解放の月日に関しましてはお答え致しかねます。ご帰宅の際は、陸上交通機関のご利用をお願い致します』 「参ったな…」 なんとも運の悪いことに、僕にとっての主要な交通機関が封鎖してしまった。その上ここから陸上交通機関を利用するともなれば相当な時間がかかってしまう。この文明が発達した社会の中で遭難をしてしまうとは、最悪である。 無論僕だけに留まらず、ホーム内には口々に今日という日を如何に終えれば良いのかと模索する人々が、魚群のように存在している。 その為に酸素が薄いのか、息苦しさを覚えた僕はひとまずホームを出ることとした。 浮上式昇降機を完備しているのは流石都市の駅であるといったところで、快適な上昇の時間は一瞬にして終わり、開かれた金属製のスライドドアから溢れ出るのは、慣れない都会の景色であった。 「北空町、こんな所に来てしまうとは…」 これからどうしたものか、特に行く宛ても無い哀れな稚魚にとってこの街は、息苦しく狭苦しい。
じゃらねっこ
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ねこじゃらしが好きなので、じゃらねっこです。 毎日投稿始めます。