短絡

死とは、生きる現世で価値観の合わない者たちに与えられた、最後の慰めのように見えることがある。 法が秩序を作るのは、それが大衆の価値観や倫理に寄り添っているからだ。だが、その倫理や「常識」にどうしても馴染めない人間も存在する。人を傷つけたいと思ってしまう者、社会からはみ出してしまう者、理由もなく悪役に押し込められる者たちだ。 極端に言えば、「死んだ方がいい人間」がいるように見える世界でもある。 人には恋人や家族、友人、先輩後輩といった役割が与えられ、社会はそれらの関係で成り立っている。ならば、どこにも当てはまらない人間は、最初から「終わるため」に生まれてきたのではないか――そんな考えに辿り着く夜もある。 麻薬を広め、戸籍を売る人間がいた。 だが彼は、過去の震災で戸籍を失い、行方不明者となったが、たまたま裏社会に拾われて助かった。 それは不幸なのか、幸福なのか。 こんな奴が生きていていいと思うか、それとも同情するか。
宮野浜
宮野浜