メンヘラ
「一緒に死のうっていったじゃん。」
私は俗に言うメンヘラらしい。付き合っている彼には連絡はすぐに返して欲しいし、女と連絡なんてもってのほか目も合わせて欲しくない。自分に自信がないからこうなっているなんてこと初めから分かっている。
ある日、私が過呼吸になっていると彼が言った。
「タオルで口を軽く抑えるといいよ。」
その言葉に私は何度救われたことか、あれはきっと魔法の言葉だった。私に呪文をかけたまま魔法使いは消えた。
また君に会えるだろうか、また君は呪文をかけてくれるだろうか。
君がいないと私はティッシュを口に詰めて死んでしまうよ?いいのかい?
夏に出会った髪の長いサンダルを履いた魔法使いはいつしか髪を切っていて、私の知らない有名ブランドの靴を履いて違う女に魔法をかけているのだろうか。
都合のいい魔法。けどその時に一番欲しい魔法。イライラする、吐き気がする、私はまた生きるために “腕を切る。”
あぁ君の声が聞こえる、かなり遠い場所からではあるが確かに。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2023/3/12 14:03
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
濡れた犬の鼻の下