守護の拳

守護の拳
第2話 「裏通りの影」 広場を抜けて、二人は人通りの少ない路地へと足を踏み入れた。 さっきまでのネオンの光が、背後で遠のいていく。 古びたコンクリートの壁、錆びたフェンス、積み重なったゴミ袋。 吹き抜ける風が、遠くのベルの音をかすかに運んでくる。 「……本当に、こんなところにお店があるの?」 優子が不安そうに問いかける。
鴉羽大地
鴉羽大地
昨年から少しずつ書き進めている小説のテーマは「武道」です。私がこれまでに学び、経験してきた少林寺拳法や武道の哲学を物語に込めています。主人公が己を磨きながら困難を乗り越える姿を描く中で、「力」と「正義」のバランスや、人とのつながりの大切さといった普遍的なテーマに挑んでいます。