首のない赤い着物の...
自分の話。
はじめて幽霊を見たのは、小学校一年生の冬でした。その日は凍てつくように寒く、雪が積もり尚且つ少し吹雪いており、幼馴染のあーちゃん(仮名)と一緒に下校した日でした。
遊ぶ約束をして「また後でね」と彼女が手を振って俺が家の方へ振り返った時です。家の玄関の所に赤い服を着た人がいるのが見えました。その日は母も祖母も出かけており、父親は仕事でおらず、誰だろうと思いました。ですが直ぐに姉の友人かもしれないと思い家へ向かいました。家に着くと玄関の鍵が閉まっていたので、鍵を開けると人の気配がしません。あれ?お客さんは?などと思って何気なく、玄関から二階へ繋がる階段を見上げた時でした。誰かが階段を上がるのが見えました。玄関が薄暗かったので私が灯りをつけると、私の目に赤い着物を着て四つん這いでゆっくり動く人物が見えました。瞬間背筋が凍りつきました。赤い着物らしきものを着た人はゆっくりとこっちを振り返りました。その時点で私は腰を抜かしました。その人には首がなかったのです。よく見ると手足が異様に真っ白だったのを今でも覚えています。悲鳴をあげた私を舐め回すように見ていました。そのあと記憶が一切ありません。
気がつくと私は、あーちゃんと祖母に名前を呼ばれていました。どうも玄関で倒れており、早く帰ってきた祖母と遊びに来たあーちゃんに発見されたのです。雪が靴に付着して滑って転び、気絶したのだろうという話になりました。私は夢を見たのだろうと思っていました。しかし、その日を境に姉が反抗期になったのか家で暴れることが多くなりました。刃物沙汰になったこともありました。私は、あの首のない赤い着物の人物が原因ではないかと考えています。
後日談。
6年生の終わり、あーちゃんの妹からこんな話を聞いた。
「家で赤い着物みたいなの着た人見てから、お姉ちゃん...凄い暴れるの」
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2024/11/27 23:47
狼ヶ森 爽籟
狼ヶ森 爽籟(おいがもり そうらい)という名前で活動しています。
個人的趣味で怪談や奇妙な出来事、ときどき特撮のことなどを書いています。文章下手で、まだまだですが頑張っていきますのでよろしくお願いします!