金木犀
空の青は変わらない。海のそれも。音も。光も。たまに雨が降ったりするけれど、二十四時間きっちり周る世界はいつも、いつも通りだ。
海の見えるアパートのベランダで朝の一服を終え、寝室に戻ると、きみが僕の枕に自分の香水を振りかけていた。
「なにしてんの」
「虫よけ」
これから少し間が空くからと、きみは淡々と言った。オードリーヘプバーンの愛したシャネルの5番である。僕はその匂いがきつくて苦手だったが、きみにとってはお気に入りの香水だそうだ。
僕はきみとの去年の秋の旅でのアルバムを振り返っていた。笑顔のきみは陸に上がった淡水魚のように苦しそうで、金木犀を背にアンニュイな表情のきみは実に華やかである。
8
閲覧数: 411
文字数: 1304
カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/10/15 9:33
最終編集日時: 2025/3/25 7:40
つばめ
活字中毒 お酒と煙草が好きな成人済。
食えねえ文章ばっか書いてます。
素敵な人だけふぉろすることにしました。おべっか使えないんで。好きなひとにベタベタくっつきます。
オタクじゃないけどオタクみたいな話し方してしまう病。あとこころの病持ち。夜になると黒くなります。気に障ったらごめんね。悪気はないからタチ悪いね。悪いようにはしないんで よろしゅうお願いしやす
Novelee:: 2024.08.22-