一枚の紙切れに。

一枚の紙切れに。
 あたりを見渡す。  まわりに誰もいないことを確認して耳に掛かったマスクのゴムを片耳ずつゆっくりと外した。さっきまで外気に触れていなかった頬が急に冷たい空気に触れて、少しずつ冷えていくのを感じた。 「…はぁ〜」  息を吐き出すと近くの空気が白く濁った。一月だし、実際寒いし、当たり前だけど、やっぱり冬だなぁと改めて思った。  手袋を外して、コートのポケットからココアを取り出した。手でぎゅっと握ると手のひらからじんわりと温まっていった。 「……あったかい。」  やっぱり、ここに来る前近くの自販機で買っておいて正解だったな。缶の蓋を開けて一口飲む。少し熱かったけど、ココアの甘くて美味しい味が口いっぱいに広がった。  ーガサ、 「………っ、!」
雨瑠(うる)
雨瑠(うる)
はじめまして!雨瑠(うる)と申します!!受験終わったばっかりの新高1です🥲 小説は好きですが書くのは初心者なのでなにとぞよろしくお願いします。ちなみに汐見夏衛さんの本が大好きです!