硝子灯(がらすび)館の少年
夕暮れどき、坂道の上にぽつりと光る硝子灯館は、まるで煤けた空の裏側に浮いた星屑のようだった。
玄関脇のランプは白磁のように薄く、触れればたちまち罅が走ってしまいそうな気配を帯びている。そこへ、僕は招かれた。
館の主人は、“七曜博士”と名乗る、年齢の読めない男だった。
黒曜石のように光る瞳は、笑っているのか、僕をなめるように眺めているのか判然としない。
「君は、不思議が好きかい?」
博士のその問いは、夕闇よりも先に僕の心を覆った。
硝子灯館の内部は、外観以上に奇妙だった。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/11/17 8:26
最終編集日時: 2025/11/17 16:24
さやかオンザライス
文学が好きです。浮かんだ物語をアウトプットしに来ました。荒削りですがよろしくお願いいたします👳🏻♂️