共におちる。
第一章
僕は深夜、ふと目を覚ました。隣にいるはずの君がいないことに気づいたからだ。僕は急いでマンションの屋上へと向かった。
屋上の鉄柵に、君は足をかけていた。気づけば、僕は君の手首をグッと握っていた。それは反射だった。体が勝手に動いていた。
七月の風が、梅雨明けの湿った空気を僕と君に吹きつけた。君の髪が風になびき、微かに君のシャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
君はそっと僕の手を振りほどき、鉄柵から足を下ろして、屋上の地面にそっと降り立った。
僕は、震える声を殺して言った。
「とりあえず、部屋に戻ろうか。」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/6/11 16:13
バナナさん
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