共におちる。

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        第一章    僕は深夜、ふと目を覚ました。隣にいるはずの君がいないことに気づいたからだ。僕は急いでマンションの屋上へと向かった。  屋上の鉄柵に、君は足をかけていた。気づけば、僕は君の手首をグッと握っていた。それは反射だった。体が勝手に動いていた。  七月の風が、梅雨明けの湿った空気を僕と君に吹きつけた。君の髪が風になびき、微かに君のシャンプーの匂いが鼻をくすぐる。  君はそっと僕の手を振りほどき、鉄柵から足を下ろして、屋上の地面にそっと降り立った。  僕は、震える声を殺して言った。  「とりあえず、部屋に戻ろうか。」
バナナさん
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