140文字小説+α その129 「悪い自慢」

「俺ぁ、昔はワルだったんだよ」  居酒屋で飲んでいた時。隣のおじさんが若い女性を口説いていた。  今時、悪い自慢で口説ける女性がいるとは思えないけど。 「俺は昔、空母と戦ったんだよ。一人で素手でな」 「んぶ」  あぶねぇ、噴き出すところだった。  空母とタイマンて。嘘にしても嘘過ぎるだろ。  見ろ、女性も変な顔してるぞ。 「凄かったぞー。相手は、戦闘機で撃ってくるし、もちろん空母本体も砲撃してくるしな。何とかクロールで避けたけどな」
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。