冷蔵庫

僕が冷蔵庫として、この家に来たのは、今から7年前の3月、 ひとつ前の型として、セールに出されていた僕を買ったのは、20代前半くらいのきれいな女性だった。 そこそこの大きさの僕は、一人暮らしには、少し大きいが、不便であるほどではなかった。 彼女はなかなかの偏食ぶりで、冷蔵庫には、いつもスムージーとコンビニ弁当が入っていた。 僕は彼女とずっと一緒に暮らしてたこともあり、次第に人の文字や、言葉がわかるようになっていった。 それから2年が経ち、彼女が男の人を連れてきた。どうやら彼氏ができたようだ。 彼氏はその日から家で生活を共にするようになった。 それから間もなく、彼女が帰ってこなくなった。男の電話の話を聞いていると、彼女に子供ができたらしい。 彼女が帰ってきてからは、子供が増えて3人暮らし、冷蔵庫の中も離乳食や、栄養バランスのとれた食事ばかりになった。 子供が2歳にもなると、僕はだんだん小さくなり、彼女の住んでいるアパートもだんだん狭くなっていた。
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